横田大使着任挨拶
令和8年1月5日
この度、駐レバノン日本国特命全権大使を拝命し、2025年12月にベイルートに着任しました横田賢司です。豊かな自然に恵まれ、多様な文明、芸術、学問、宗教に彩られたこのアラブ随一の美しい国に赴任できたことを大変光栄に思います。
外務省に入省後、初めての海外勤務はシリアでした。1988年から3年間、シリアでアラビア語を学ぶ機会に恵まれました。その2年前、1986年には、治安悪化により在レバノン日本大使館が一時閉鎖され、職員はシリアに待避していました。ベイルートの美しい町並みについて耳にする機会は何度もあり、憧憬を募らせましたが、レバノンへの渡航は禁止されていました。レバノンは、地理的には近いものの、「遠い国」であり、結局3年間のシリア滞在中、ベイルートを訪れる機会は一度もありませんでした。
なお、在レバノン日本大使館は1995年に再開されましたが、対照的に、在シリア日本大使館は2012年に一時閉鎖され、職員は現在ベイルートで勤務しています。時代の流れを感じます。
シリアでの任期を終えた後、1991年から4年間ヨルダンで勤務しました。1991年は、中東和平マドリッド会議が開催された年です。ヨルダン、レバノン、シリア、パレスチナの各交渉トラックにおいてイスラエルとの和平交渉が進められ、1994年にはヨルダンとイスラエルとの間で和平条約が締結されました。私は中東における計7年の勤務を終え、1995年に日本に帰国しましたが、他の交渉トラックでも遠からず和平が成立し、この地域が安定と繁栄を遂げると期待していました。
実際、1990年代を通じ、交渉のダイナミズムというものは確かに存在し、日本も主要なプレイヤーとして主体的に関与してきたと自負しています。日本と中東諸国との要人往来も活発で、私も通訳として、フセイン・ヨルダン国王、アサド・シリア大統領、ファハド・サウジ国王、ムバラク・エジプト大統領、アラファトPLO議長兼PA長官(肩書きはいずれも当時)等との会談の場に立ち会うことができました。
今回、念願叶ってレバノンに赴任することができましたが、残念ながら、30年以上が経過した現在においても、レバノンは依然として様々な課題に直面しています。しかしながら、異なる価値観と文化が共存するレバノンの発展と繁栄は、地域の安定と繁栄の礎となる可能性を秘めています。レバノンの発展と繁栄、そして、日本とレバノンの友好親善関係のさらなる強化に向け、微々たるものかもしれませんが、全力を尽くす所存です。
皆様の温かいご支援とご協力を謹んでお願い申し上げます。
2026年1月
駐レバノン日本国特命全権大使
横田 賢司
横田大使略歴
外務省に入省後、初めての海外勤務はシリアでした。1988年から3年間、シリアでアラビア語を学ぶ機会に恵まれました。その2年前、1986年には、治安悪化により在レバノン日本大使館が一時閉鎖され、職員はシリアに待避していました。ベイルートの美しい町並みについて耳にする機会は何度もあり、憧憬を募らせましたが、レバノンへの渡航は禁止されていました。レバノンは、地理的には近いものの、「遠い国」であり、結局3年間のシリア滞在中、ベイルートを訪れる機会は一度もありませんでした。
なお、在レバノン日本大使館は1995年に再開されましたが、対照的に、在シリア日本大使館は2012年に一時閉鎖され、職員は現在ベイルートで勤務しています。時代の流れを感じます。
シリアでの任期を終えた後、1991年から4年間ヨルダンで勤務しました。1991年は、中東和平マドリッド会議が開催された年です。ヨルダン、レバノン、シリア、パレスチナの各交渉トラックにおいてイスラエルとの和平交渉が進められ、1994年にはヨルダンとイスラエルとの間で和平条約が締結されました。私は中東における計7年の勤務を終え、1995年に日本に帰国しましたが、他の交渉トラックでも遠からず和平が成立し、この地域が安定と繁栄を遂げると期待していました。
実際、1990年代を通じ、交渉のダイナミズムというものは確かに存在し、日本も主要なプレイヤーとして主体的に関与してきたと自負しています。日本と中東諸国との要人往来も活発で、私も通訳として、フセイン・ヨルダン国王、アサド・シリア大統領、ファハド・サウジ国王、ムバラク・エジプト大統領、アラファトPLO議長兼PA長官(肩書きはいずれも当時)等との会談の場に立ち会うことができました。
今回、念願叶ってレバノンに赴任することができましたが、残念ながら、30年以上が経過した現在においても、レバノンは依然として様々な課題に直面しています。しかしながら、異なる価値観と文化が共存するレバノンの発展と繁栄は、地域の安定と繁栄の礎となる可能性を秘めています。レバノンの発展と繁栄、そして、日本とレバノンの友好親善関係のさらなる強化に向け、微々たるものかもしれませんが、全力を尽くす所存です。
皆様の温かいご支援とご協力を謹んでお願い申し上げます。
2026年1月
駐レバノン日本国特命全権大使
横田 賢司
横田大使略歴