ベイルート港爆発犠牲者に対する大久保大使からの追悼メッセージ

令和3年8月3日
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ちょうど1年前の今日、ベイルートは悲しく辛い事件に見舞われました。世界中の人々が、ベイルート港の大爆発という悲劇を目の当たりにし、恐怖に慄いたのです。大爆発が生み出したキノコ雲を目にした多くの人々が、同じく8月に広島と長崎に降りかかった悲劇を思い出しました。

 

76年前に人類史上最大の爆発を経験した日本という国の1市民として、私はこのベイルート港の大爆発を決して忘れません。そして、愛する人達、家々、仕事、さらには国の未来に対する信念を失ったすべてのレバノンの人々に同情の念を寄せたいと思います。また、爆発で怪我をされた方々に思いを馳せお見舞い申し上げます。

 

地理的に、日本とレバノンは約9,000キロも離れています。しかし、歴史的に両国は共通点を有しています。それは、日本とレバノンが、大規模な戦争や災害に見舞われつつもそれらを乗り越え、灰燼の中から不死鳥の様に蘇ったことです。

 

2020年8月4日の記憶を風化させてはいけません。この記憶を残すことで、人々は正義や倫理的義務を追い求め、変革への志を心に抱き続けることができるでしょう。私は、偉大なるレバノン人の強靱さと英知を信じてやみません。

 

レバノンに祝福あらんことを

 

在レバノン日本国大使
大久保武