28年4月4日

領事班

 

海外安全対策情報(平成27年度第4四半期)

 

1.社会・治安情勢
(1)隣国シリアの情勢不安はレバノンにも影響を及ぼしており、特にベカー県
及びバールベック・ヘルメル県のレバノン・シリア国境付近においてはレバ
ノンに侵入しようとするISIL、ヌスラ戦線等の武装組織とレバノン治安当局
との間で戦闘も発生しています。

(2)レバノン当局によるテロ・誘拐・不法薬物の取り締まりが全国的に行わ
れており、治安当局と容疑者の間で銃撃戦等の事件に発展した例もありま
す。宿泊先又は訪問先の近くで不穏な様子が見られた場合は速やかにその
場を離れ、不測の事態に巻き込まれないようにしてください。

 

2 一般犯罪・凶悪犯罪傾向
日本人の被害は報告されていませんが、主な事例は以下のとおりです。
(1)1月14日、バールベック・ヘルメル県東部シャラウィナにおいてレバノ
ン治安機関と薬物密売組織との間で銃撃戦が発生し兵士1名が負傷、容疑者
1名が死亡した。

(2)2月14日、ベイルート市ラムレット・アル・バイダにおいて武装した男
女3名が高齢者宅に押し入り、同男性及び家政婦を殺害後,現金1万2千米
ドルと銃2丁を盗んで逃走する強盗殺人事件が発生した。容疑者は事件後当
局により逮捕された。

(3)2月16日、ベカー県のリヤク・バールベック道路において犯罪組織間の
争いにより小銃、ロケット弾を使用した銃撃戦が発生し数名が負傷した。
(4)2月19日、ベイルート南郊外において宗派グループ間のトラブルに起因
する銃撃戦が発生した。
(5)3月16日、ベイルート南郊アブ・サヘルの市場において個人的な争いに
よる銃撃戦が発生し、重傷者1名を含む数名の負傷者が発生した。

 

3 テロ・爆弾事件等
アッカール県、南レバノン県、バールベック・ヘルメル県において路肩爆弾
によるテロや手榴弾投擲事件等が発生しています。また、国内テロ細胞によるベ
イルート南郊外(ダーヒヤ地区)、トリポリ等へのテロが計画されていたとの報道
もあり、引き続き注意が必要です。

 

4 誘拐・脅迫事件発生情報
レバノンではベカー県及びバールベック・ヘルメル県を中心に身代金目的の
誘拐事件が発生しています。2016年1月にはベイルート市内においても女
性誘拐事件が発生しました。誘拐対象の多くはレバノン人やシリア人の富裕層
であり、犯行グループは事前に被害者の行動を入念に調べた上で犯行に及ぶた
ケースが多く見られます。

 

5 対日感情及び日本企業の安全に関わる諸問題
邦人が直接の対象となった事件等は発生しませんでした。